そら豆

お酒のお供に最高なのが「そら豆」。

「愛犬にあたえてもいいのかな?」

と思ったことはありませんか?

結論から言うと、犬はそら豆を食べても大丈夫です。

そら豆には「たんぱく質」「ミネラル類」が豊富に含まれ、食べることで健康的な体作りや毛艶を良くする効果が期待できます。

ですが、あげるときは「塩を使わない」「茹でる」「量を守る」「腎臓が健康であること」など、注意点もあります。

この記事では、「そら豆を食べても大丈夫な理由」「メリット」「そら豆に含まれる栄養素」「そら豆をあたえるときの注意点」「体重別のあたえていい量」をまとめました。

この記事を読めば、愛犬と一緒にそら豆を楽しむ方法がわかります。

犬はそら豆を食べても大丈夫!気をつけることは?

そら豆をもらうトイプードル

犬はそら豆を食べることができます。

ですが、次のように食べやすくしてあげる必要があります。

そら豆をあげるときは?

  • 茹でる
  • 皮・さやを取り除く
  • 「飲み込んでも大丈夫な大きさ」「みじん切り」「ペースト状」にしてあたえる
  • あたえすぎに注意する

まず、生のそら豆を食べると消化不良を起こし、「便のゆるみ」「下痢」「嘔吐」の原因となってしまいます。

そら豆は消化しやすくするために、必ず茹でて柔らかくしたものをあたえましょう。

茹でるときは、塩などを使わず、水だけで茹でてください。

茹でるときに塩を使うと、塩分の摂りすぎにつながり、ワンちゃんの健康によくありません。

茹でて柔らかくなったら、皮とさやを取り除いてください。

皮とさやは茹でても食べにくく、また、食物繊維を含み過ぎます。

食物繊維の摂り過ぎは、消化不良につながります。

ただし、みじん切りぐらいまで細かく刻んだり、ペースト状にする場合は、皮は残したままでも大丈夫です。

そら豆の粒はワンちゃんにとって大きすぎますし、また、十分に噛まずに飲み込もうとしてしまうことがあります。

そのような場合、喉にそら豆の粒がつまってしまう場合もあります。

そのため、そら豆は細かく切るか、潰してペースト状にしてあたえましょう。

また、あたえすぎにも注意です。

そら豆でお腹いっぱいになってしまうと、ドッグフードを食べてくれなくなる可能性があります。

犬がそら豆を食べるメリットは多い

嬉しそうな犬

犬がそら豆を食べる場合、「カリウム」「リン・カルシウム・マグネシウム」「たんぱく質」を摂取することができます。

「カリウム」「リン・カルシウム・マグネシウム」「たんぱく質」は、ワンちゃんの健康に欠かせないもので、そら豆を食べ取り入れることでメリットがあります。

具体的にどのようなメリットがあるのか、紹介します。

カリウムが余分な塩分を体外に出す

カリウムは、余分なナトリウム(塩分)を体外に排出する働きをします。

ナトリウムが体外に排出されることで血圧が下がり、心臓の働きが正常に保たれます。

カリウムが不足すると「低カリウム血症」になり、「運動能力の低下」「無気力」「食欲不振」「多尿」「高血圧」が起こります。

逆にカリウムを多く摂りすぎると「高カリウム血症」になり、「四肢のしびれ」「筋力低下」「嘔吐」「不整脈・頻脈」などの症状が現れ、最悪の場合、命の危険があります。

そら豆の食べ過ぎで「高カリウム血症」になることは、普通は考えられません。

ですが、腎臓の機能が衰えていたり、腎臓に病気がある場合、過剰摂取しなくても「高カリウム血症」を起こすことがあります。

そのため、腎臓に問題がある場合は、そら豆をあたえるのはやめましょう。

腎臓に問題のないワンちゃんにとっては、そら豆でカリウムを摂取できることはメリットだと言えます。

リン・カルシウム・マグネシウムで骨・歯を強くする

そら豆にはリン・カルシウム・マグネシウムといったミネラル類も豊富に含まれます。

リン・カルシウム・マグネシウムには、それぞれ次のような働きがあります。

リンの働き

リンは「主要必須ミネラル」の一つに分類されます。

リンの役目の一つ目は「エネルギーの代謝」です。

リンは「脂肪酸」や「アミノ酸」をエネルギーに変換するために利用されます。

2つ目の働きでは、骨や歯に貯蔵されたリン(体内のリンの80%以上)が、「カルシウムとともに骨格を強化」します。

そら豆は、リンを豊富に含みつつ、カルシウムとのバランスも問題のない食べ物です。

カルシウムの働き

カルシウムは「主要必須ミネラル」の一つに分類されます。

カルシウムのいちばん重要な役割は、「筋肉を動かす」ことです。

ワンちゃんの体のいたるところに筋肉は存在します。

その中でもいちばん重要なのものの一つが「心臓の筋肉」です。

カルシウムなしでは心臓の筋肉を動かすことはできず、生きていくこともできません。

カルシウムは普段は骨に貯蔵されており、カルシウムが不足した場合、骨のカルシウムが血中に放出され補われます。

頻繁に骨のカルシウムが使われるようになると、「骨折」などを起こしやすくなります。

そら豆にはカルシウムが豊富に含まれるので、カルシウム不足の解消の効果が期待できます。

マグネシウムの働き

マグネシウムは「主要必須ミネラル」の一つに分類されます。

マグネシウムは、ワンちゃんの体内の「エネルギー代謝全般(300以上)に関係」するミネラルです。

特に神経伝達や筋肉の収縮に必須になります。

マグネシウムは、カルシウムやリンと同様に、骨と歯の構成要素として重要です。

マグネシウムが不足すると骨や歯は安定した状態を保てなくなります。

そら豆を食べることで、マグネシウムの不足を防ぐ効果が期待できます。

たんぱく質で「健康状態の改善・維持」「美しい毛艶づくり」ができる

たんぱく質はワンちゃんの筋肉や骨を修復したり、健康を維持したりする働きがあります。

また、健康的な皮膚や被毛の維持にも役立ちます。

そら豆はたんぱく質を豊富に含みます。

そら豆を適量あたえることで、健康状態が良くなったり、毛艶が良くなったりする効果が期待できます。

犬にあたえるそら豆の栄養素一覧

そら豆

そら豆が含む主な栄養成分は、次の表のとおりです。

表の成分は、そら豆の「未熟豆」「ゆで」の場合のものです。

私達が普段、目にしたり食べたりするそら豆は「未熟豆」にあたります。

そらまめ(未熟豆、ゆで)
成分 成分値
エネルギー(100gあたり) 112kcal
水分 71.3g
たんぱく質 10.5g
脂質 0.2g
カリウム 390mg
カルシウム 22mg
マグネシウム 38mg
リン 230mg

※参考:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

そら豆は、ワンちゃんに必要な栄養成分がバランスよく含まれた食べ物です。

お酒を飲みながら、ワンちゃんにおすそわけをしても大丈夫です。

ですが、ワンちゃんにあげるものは塩ゆでしないように気をつけましょう。

塩を使わずに茹で、愛犬にはそのままあたえ、人が食べるものには塩を軽く振るのがそら豆のおすすめの楽しみ方です。

犬にそら豆をあたえるときの注意点は?

悲しそうな顔の犬

健康によく、ワンちゃんも好きなそら豆ですが、注意点もあります。

ここでは、その注意点を紹介します。

茹でて消化不良を起こさせない

多くの人がそうだと思いますが、そら豆を生のままでは食べないですよね。

理由は、硬くて食べづらかったり、美味しくなかったり、といったものが多いと思います。

また、「消化によくない」という問題もあります。

ワンちゃんも人と同じで、茹でるなど、調理をしたものを食べる必要があります。

生のそら豆は消化に良くないため、ワンちゃんが食べた場合、消化不良の原因となります。

消化不良を起こすと「便のゆるみ」「下痢」「嘔吐」などの症状がでる場合があります。

消化不良は茹でたものをあたえることで避けられるので、ワンちゃんにあげるときは注意するようにしましょう。

腎臓に負担がかかる場合がある

そら豆はリンを豊富に含みます。

通常であれば「エネルギーの代謝」「骨格の強化」を担う成分です。

ですが、リンの摂り過ぎは腎臓に負担がかかる場合があります。

そのため、一度に大量のそら豆をあたえないようにしましょう。

また、腎臓の病気をもっていたり、機能が衰えたりしている場合は、少しの量でも腎臓に負担がかかることがあるので、そら豆をあたえるのはやめておきましょう。

さやは消化に悪いためあたえないこと

そら豆の外側のさやはかなり厚くなっており、消化によくありません。

さやの部分はワンちゃんにあたえないようにしましょう。

そして、ひと粒ずつ皮からだし、ワンちゃんが飲み込んでも大丈夫な大きさにカットします。

ペーストにする場合や、ドッグフードにトッピングしてあたえる場合は、皮ごと細かく刻んでも大丈夫です。

「さやの部分をあたえないこと」「大きい粒のままあたえないこと」の2つが注意点になります。

【体重別(3~30kg)】犬にそら豆をあたえる場合の適量

キッチンスケールに乗っている犬

犬にそら豆をあたえる場合、どれぐらいがの量がベストでしょうか?

ここでは、ワンちゃんの体重ごとの「そら豆の個数の目安」「可食部の重さ」を表にし、紹介します。

体重 そら豆の個数の目安
(小~普通)
可食部の重さ
3kg 13~30個 48.2g
4kg 16~36個 57.2g
5kg 19~41個 66.3g
6kg 21~47個 75.3g
7kg 24~53個 84.3g
8kg 26~58個 93.4g
9kg 29~64個 102.4g
10kg 31~70個 111.4g
11kg 34~75個 120.5g
12kg 36~81個 129.5g
13kg 39~87個 138.5g
14kg 41~92個 147.6g
15kg 44~98個 156.6g
16kg 46~104個 165.6g
17kg 49~109個 174.7g
18kg 51~115個 183.7g
19kg 54~120個 192.8g
20kg 56~126個 201.8g
21kg 59~132個 210.8g
22kg 61~137個 219.9g
23kg 64~143個 228.9g
24kg 67~149個 237.9g
25kg 69~154個 247.0g
26kg 72~160個 256.0g
27kg 74~166個 265.0g
28kg 77~171個 274.1g
29kg 79~177個 283.1g
30kg 82~183個 292.1g

参考:生活知恵袋「そら豆の重さは1莢、1粒、1個で何グラム、大きさやカロリーは?」
参考:小動物の臨床栄養学 第4版

まず、そら豆はワンちゃんが必要とするカロリーの「20%まで」にしましょう。

表は「1日のカロリーの20%分をそら豆でまかなう」という条件で作っています。

そして、そら豆のカロリー分、ドッグフードの量を20%減らします。

個数については「小さいサイズのもの~普通サイズのもの」にしてあります。

体重が3kgの場合、そら豆を13~30個(48.2g)程度あげても大丈夫です。

まとめ

そら豆

お酒のおつまみとして最高なそら豆。

愛犬と一緒に楽しめたら嬉しくないですか?

そら豆はワンちゃんにとって、健康状態や毛艶が良くなるなどメリットの多い食べ物です。

「茹でること」「あげすぎに注意」「塩は使わない」といった注意点を守って、愛犬と一緒にそら豆を楽しみましょう!