
犬に去勢手術を受けさせたいのだけど、何歳までにとか制限があるのかな?
と思われた方もいらっしゃると思います。
基本的に健康体であれば、子犬・成犬・シニア犬(7歳~)どのステージでも去勢手術は受けられます。
ですが、犬の去勢にはメリット・デメリットがあり、生後6ヶ月から1歳未満に受けたほうが一番メリットが大きくなります。
この記事では、犬の去勢手術のメリット・デメリット、手術の方法、費用、術後の過ごし方などとまとめました。
Contents
犬の去勢手術は何歳までに受けさせたほうがいいの?

犬の去勢手術は、基本的に何歳になってもうけることができます。
ですが、子犬のうち、生後6ヶ月から1歳未満で受けることが多いです。
その理由は、「オス同士の喧嘩が少なくなる」「マーキングをしなくなる・減る」「マウンティングをしなくなる・減る」などのメリットがあるためです。
ある程度、年齢がいって癖がついてしまってからだと、去勢によるこれらのメリットが薄れてしまうことがあります。
子犬だけでなく、成犬も受けられますし、体調などに問題がなければシニア犬(7歳~)でも受けることはできます。
ですが、シニア犬になると麻酔によるリスクが高まります。
犬の去勢手術については、できれば家族の一員としてお迎えする前に決断をしておくことが理想的です。
そもそも犬の去勢手術はすべきなのか?
オスで、繁殖を望んでいない場合は、去勢手術を受けさせるべきです。
例えば、ドッグランに連れて行った場合、誤ってメスの犬と交尾をしてしまう可能性があります。
ドッグランはいぬ友を作る場でもあるので、マナー違反になってしまいますし、最悪、揉めることになりえます。
そういった問題を起こさないためにも、去勢手術はするほうが良いでしょう。
ですが、去勢手術が人間側の都合であることも確かです。
もし、生まれたままの姿で育てたいなら、去勢手術をしないという選択もあります。
犬の去勢手術のメリット

去勢手術を受けるメリットは多くあります。
他のオス犬と喧嘩をしなくなる・しにくくなる
犬は本能から、メス犬をめぐって、オス犬同士が喧嘩をします。
喧嘩はかなりの確率で起こりますし、リードを強くもって引き離さないと、大変なケガにつながってしまいます。
こういったオス同士の喧嘩がほとんどの場合、起こらなくなることは去勢手術のメリットの一つです。
マーキングをしなくなる・回数が減る
犬が自分の縄張りを主張するために、電柱などにおしっこをかけることがマーキングです。
マーキングはオス犬の本能によるものなので、仕方がないことです。
ですが、外でおしっこをした場合、水をかけて洗い流すのはマナーです。
電柱におしっこをかけるのは、去勢手術をしていない場合、ある程度仕方のないことです。
ですが、電柱を見つけるたびに立ち止まっておしっこをさせるのは、なかなか大変なものです。
また、他人の家の壁にまでマーキングをしようとしてしまうことがあります。
その場合、リードを引っ張り、マーキングを防がないといけません。
マウンティングをしなくなる・回数が減る
オス犬が、人やものに乗っかかり、こしをカクカクさせるのがマウンティングです。
本来はメス犬との交尾のときにするものですが、去勢をしていない場合、ぬいぐるみなどにもするようになります。
カクカクしている姿は可愛いかもしれません。
ですが、ときと場合によっては、問題になることがあるかもしれません。
去勢手術をすると、マウンティングをしなくなったり、しにくくなったりします。
去勢手術による生殖器の病気の予防
去勢手術をする一番のメリットは、生殖器の病気にかかりにくくなったり、かからなくなったりすることです。
例えば、次の病気にかかる可能性がグッと減ります。
かかりにくくなる病気
- 精巣腫瘍
- 前立腺疾患
- 肛門周囲腺腫
- 会陰ヘルニア など
犬の去勢手術のデメリット

メリットの多い去勢手術ですが、当然デメリットもあります。
遺伝子を残すことができなくなる
去勢種々により精巣をとってしまうと、子を作ることができない身体になります。
将来、子を残す可能性のある犬の飼い主は、精巣をとってしまう、という判断について、もう一度考えてみましょう。
太りやすくなる
去勢手術を受けることによって、これまで出ていた、性に関するホルモンが出なくなります。
性に関するホルモンが出なくなるということは、さまざまな性に関する行動を起こさなくなるということ。
去勢手術の前と同じ食事を与えていると、必ずと言っていいほど太ります。
犬は食欲のコントロールが苦手ないきもので、食べれるだけ食べてしまうことが多々あります。
去勢手術のあとは、飼い主が「えさを減らす」「おやつを減らす」などの食に関することをコントロールする必要があります。
全身麻酔が必要
近年(※)は、部分麻酔で日帰りの去勢手術ができる病院も増えてきました。
※2021年
ですが、基本的には全身麻酔を使って去勢手術をし、病院に一泊とまる、という方法が一般的です。
全身麻酔は、部分麻酔よりもリスクが高いものです。
ですが、動物病院では、多くの治療に全身麻酔が使用されます。
全身麻酔だから部分麻酔よりも危険、ということはありません。
ただし、全身麻酔を使う場合のほうが、事前のチェックは念入りに行われます。
術後に合併症が起きる可能性がある
犬は痛い部分をなめようとする習性があります。
また、皮膚と皮膚をつないでいる糸も、ちぎろうとすることがあります。
傷をなめることで、口についた菌が体内に入ってしまうことがあります。
また、糸を無理にちぎろうとすると、傷口はひらいてしまいそこから感染症を起こしやすくなります。
そういったことが起こらないよう、去勢手術のあとは、エリザベスカラーや術後服を抜糸まで身につけることになります。
自然に反しているという考え
厳しいことを言うと、犬の去勢手術は、人間の都合で犬が望んでいることではありません。
愛犬家の中には、生まれたままの姿でいさせたい、という理由で去勢手術を受けさせない人もいます。
去勢手術を受けさせる場合は、メリットとデメリットについてしっかり考え、愛犬の一生が幸せになるようにしてあげたいですね。
犬の去勢手術の費用は?

犬の去勢手術は、予防のための治療なので、保険適用外となります。
ですが、それほど高額ではなく、一般的には2~5万円程度と言われています。
去勢手術にかかる費用は、トリミング代やドッグフード代と比べると、それほど高額ではないかもしれません。
犬の去勢手術は入院するの?

部分麻酔に対応している病院の場合、日帰りの手術もできます。
全身麻酔による手術になる場合、経過観察などのために1泊、または2泊程度の入院が必要になります。
犬の去勢手術の後はどう過ごせばいいの?

犬の去勢手術から抜糸までの間、これまで通り、お散歩などに連れて行って大丈夫です。
ただ、犬が傷口を舐めたり、糸を噛まないようにしたりするために、エリザベスカラーや術後服はしっかり着させるようにしましょう。
犬の去勢手術って痛い?

犬の去勢手術は、麻酔にかかった状態で行われるため、痛みはありません。
ですが、愛犬を思いやる気持ちは大切です。
術後、お腹の部分を触るときは優しくしてあげてくださいね。
まとめ

オス犬の去勢手術は、子犬・成犬・シニア犬、どの年齢でも受けられます。
しかし、去勢手術によるメリットを考えると、生後6ヶ月から1歳未満にするのがおすすめです。