
あなたはドッグフードを購入するときに、危険性のある添加物が含まれていないかチェックしていますか?
実はペットショップなどで販売されている有名なドッグフードの中にも、危険性のある添加物を使っているものがあります。
そのため、知らずに使い続けてしまうこともあります。
ですが、愛犬の健康寿命を延ばすことを考えると、危険性のある添加物は避けるべきです。
この記事では、危険性のある添加物「酸化防止剤・保存料」「着色料」「甘味料」「その他(発色剤・保湿剤)」を16種類、紹介します。
また、それぞれの添加物について、どのような働きをして、どのような危険性があるのかまとめました。
記事の最後では、まとめとして紹介した添加物を一覧表にしていますのでそちらも参考にしてくださいね。
Contents
酸化防止剤・保存料
ドッグフードは保存食であるため、「酸化防止剤」や「保存料」が必要です。
その酸化防止剤・保存料には、「化学薬品を使った人工的なもの」と、「天然由来のもの」の2種類があります。
人工的に作られた酸化防止剤や保存料は、高い能力を発揮する反面、「発がん性」「毒性」が指摘されているなど、安全性に問題がある場合があります。
一方、天然由来のものは、人工の酸化防止剤・保存料に効力は劣ります。
ですが、体への負担が少なく、安全性が高いという特徴があります。
ここでは、絶対に避けたい「人工的な酸化防止剤・保存料」を紹介します。
エトキシキン
エトキシキンは、ドッグフードの酸化防止剤として使われるほか、「リンゴ・なしの日焼け防止」「殺虫剤」などにも使用されます。
人の1日の摂取許容量は「体重1kgあたり0.005mg」までと日本の食品安全委員会で定められています。
また、ペットフード安全法(※)では、ドッグフードなどの「エトキシキンの含有量は75μg/g以下であること」と定められています。
基準値を超えるエトキシキンを摂取することで、「皮膚炎」「がん」を発症する可能性があるとされています。
※参考文献:「ペットフード安全法・基準規格等」
BHA(ブチルヒドロキシアニソール)
BHA(ブチルヒドロキシアニソール)は、油脂の酸化防止を目的として使われる添加物です。
もともとは「車のエンジンオイル」などに使われていましたが、現在では食品に対しても使われれています。
BHAには「発がん性」のリスクがあることが研究で報告されています。
BHAの酸化防止の効果は約2ヶ月と言われています。
一方、天然由来の酸化防止剤「ビタミンC(アスコルビン酸)」「ローズマリー抽出物」などの酸化防止の効果は3~4週間であると言われています。
ペットフード安全法では摂取許容量として、次に紹介するBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)との合計量が150μg/gを超えてはならない、としています。
BHAを使った実験では、「発がん性」「歩行障害」「呼吸困難」「消化器官の出血」「肝臓のうっ血」が確認されたと言われています。
「酸化防止剤に『BHA(ブチルヒドロキシアニソール)』を使っているドッグフードは危険!」 「BHAは発がん性が…
BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)
BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)は、もともとは石油用の抗酸化剤として使用されていたものです。
現在ではBHAと同様、食品(ガム・油脂・バターなど)の酸化防止剤として使われています。
ペットフード安全法では、先ほどのBHA(ブチルヒドロキシアニソール)との合計量が150μg/gを超えてはならない、としています。
BHTの摂取は、「膀胱がん」「甲状腺がん」につながるとも言われています。
ソルビン酸カリウム
ソルビン酸カリウムは、ワンちゃんでは「ドッグフード」「ジャーキーなどのおやつ」、人間では「ハム・ワインなどの食品」や「マスカラ・ファンデーション・口紅などの化粧品」によく使われる保存料です。
ソルビン酸カリウムには、カビ・菌類の代謝を阻害する働きがあります。
ソルビン酸カリウムを摂取する実験では、「染色体異常」「遺伝子の突然変異」が確認されています。
ソルビン酸カリウム単体でも害となる可能性がありますが、「亜硝酸ナトリウム」と一緒に加熱した場合、発がん物質である「エチニル酸」が生成されることが確認されています。
ソルビン酸カリウムを使っているドッグフードやおやつは避けるべきです。 ソルビン酸カリウムは保存料の一種で、人工的に作られた添加物です。 ソルビン酸カリウム単体での毒性はそれほど高くありません。 ですが、他の添加物との組み合わせによっては「発がん性物質」が生成され、ワンちゃんが口にしてしまうこともありえます。 この記事では、ソルビン酸カリウムがどのような保存料で、なぜ避けるべきなのか、解説します。
着色料
着色料はドッグフードの色を美味しそうに見せたり、鮮やかに見せたりするために使われます。
ですが、ワンちゃんはドッグフードの色に関心はなく、色を調整することで食いつきが良くなることもありません。
そのため、ワンちゃんにとって、着色料の使用はまったく意味がなく、害にしかなりません。
着色料は飼い主の印象をよくし、ドッグフードを買ってもらいやすくするために使われます。
赤色3号(エリスロシン)
赤色3号は食用タール色素に分類される合成着色料です。
タール色素とは「石油から作られている色素」を指します。
赤色3号の場合、石油由来の「ナフサ」から合成されます。
赤色3号は、ワンちゃんの「ドッグフード・おやつ」の他にも、人が食べる「カマボコ」「ソーセージ」「ケチャップ」「チェリー」などに使われることがあります。
赤色3号は紫外線を浴びると活性酸素を生み出し、油脂の酸化を進めやすくすると言われています。
そのため、酸化防止剤の「BHT」と一緒に使われることがあります。
赤色3号は「赤血球の減少」や「甲状腺腫瘍の発症」が指摘されている着色料です。
アメリカ・ドイツ・ポーランドでは、食品への使用は禁止されています。
赤色40号(アルラレッドAC)
赤色40号は赤色3号と同じく、食用タール色素に分類される合成着色料です。
赤色3号に発がん性が指摘されたため、その代わりに赤色40号がよく使われるようになりました。
日本では「清涼飲料水」「ガム」「キャンディー」に使われることがあります。
酸化の影響を受けやすいため、アレルギーの原因になると言われています。
また、人に対しては、「注意欠陥多動性障害(ADHD)」に影響を与える可能性があるとされています。
ワンちゃんに対しても同様に考えられており、「多動障害」を引き起こす可能性が指摘されています。
赤色102号(ニューコクシン)
赤色102号は、食用タール色素に分類される合成着色料です。
熱・光・酸に強いという特徴をもつため、ワンちゃんの「ドッグフード・おやつ」から人の「お菓子」「漬物」「清涼飲料水」「化粧品」など幅広く使われる色素です。
動物実験では、「結腸のDNAの損傷」「赤血球・ヘモグロビン値の減少」「肝臓や心臓のサイズが大きくなる」ことが確認されています。
アメリカ・カナダ・ベルギーでは、食品への使用は禁止されています。
赤色105号(ローズベンガル)
赤色105号は、食用タール色素に分類される合成着色料です。
日本では「カマボコ」「ソーセージ」「紅白まんじゅう」など、ピンク色の食品によく使われます。
動物実験では、「食欲減少」「成長の障害」「遺伝子の損傷」「肝機能障害」「甲状腺の異常」が確認されています。
青色2号(インジゴカルミン)
青色2号は、食用タール色素に分類される合成着色料です。
人間への使用の場合、1日摂取許容量は「体重1kg当たり5g」とされています。
また、「肉・魚の漬物」「きな粉」「カステラ」「醤油」など、一部の食品への使用は禁止されています。
ですが、ワンちゃんに対する使用制限はありません。
マウスを使った実験では「染色体異常」が一例、確認されています。
「染色体異常」により、「細胞の死滅」「がん化」「遺伝病」が起こる可能性もあります。
人間への使用が制限されていること、マウスを使った実験で「染色体異常」が見られたことを考えると、危険性は高く避けるべきだと言えます。
甘味料
甘味料はワンちゃんのドッグフードへの食いつきをよくする目的で使われます。
甘味料には「天然素材のもの」「人工的に作られたもの」があり、天然素材のものをドッグフードに使うことは悪いことではありません。
問題は、人工甘味料をドッグフードに使うことです。
また、 ワンちゃんは糖分をあまり必要としません。
そのため、甘味料の使用は「肥満」や「糖尿病」に繋がってしまうことがあります。
ソルビトール
ソルビトールは、ブドウ糖から作られた甘味料です。
摂取量によっては「便のゆるみ」「腹痛」「下痢」が起こることがあります。
カロリーが砂糖の約70%と少ないため、シュガーレスなお菓子やダイエット食品によく使われます。
日本では人間の一日摂取量、ワンちゃんの一日摂取量は決められていません。
ですが、ソルビトールの大量摂取により、イタリアの女性が亡くなったとの報告もあります。
キシリトール
キシリトールは、人間用のガム、特に「虫歯予防」や「歯の健康」を意識したデンタルガムに多く含まれます。
人間の体にはほとんど影響がない甘味料で「キシリトール配合」を売りにした商品もあるぐらいです。
ですが、ワンちゃんが摂取した場合、量によりますが「嘔吐」「意識の低下」「脱力」「けいれん」「肝臓の障害」「腎臓の障害」が起こります。
ワンちゃんによっては、ごく少量でも重い症状がでる危険なものです。
グリシリジン・アンモニエート
グリシリジン・アンモニエートは、人工甘味料や添加物の中でも特に問題となることの多い危険なものです。
まず、安全性が確認されていないため、人間の食品への使用は禁止されています。
ですが、ドッグフードへの使用は禁止されておらず、ワンちゃんにどのような影響をあたえるのかわかっていません。
人間にとってよくないものは、ワンちゃんにとっても害になる可能性が高いため、避けるべきです。
ビートパルプ
ビートパルプは、甜菜(テンサイ・サトウダイコン)から砂糖を搾り取った後に残る繊維部分です。
砂糖を絞った後のビートパルプにも糖分は含まれるため、食いつきをよくするための甘味料として使われることがあります。
また、「ドッグフードのかさ増し」にも使われることがあります。
ビートパルプには「便をかためる」作用もあります。
ワンちゃんの便の硬さ(バナナぐらい・ゆるい・硬い)で、健康状態を知ることができます。
ですが、ビートパルプを摂取している場合、体調が悪くても硬い便が出ることになってしまい、便の状態による健康状態の把握ができなくなってしまいます。
また、「便秘」を起こすことも多くなるので、避けたい甘味料です。
コーンシロップ
コーンシロップは、ぶどう糖果糖液糖・果糖ぶどう糖液糖と呼ばれる天然甘味料の一種です。
人工の添加物ではなく、「天然の甘味料」なので安全そうな感じがするかもしれません。
コーンシロップは、ドッグフードに粘り気・弾力性をあたえたり、食いつきをよくしたりする目的で使用されます。
ですが、コーンシロップは膵臓や副腎に作用し、糖尿病の原因となることがあります。
コーンシロップは、天然の添加物ですが、避けるべきものです。
その他
ドッグフードに使われる添加物で、危険なものはまだあります。
ここでは「色を赤く鮮やかに見せる」発色剤として使われる「亜硝酸ナトリウム」と「保湿剤」として使われる「プロピレングリコール」を見ていきます。
亜硝酸ナトリウム
亜硝酸ナトリウムは、発色剤や保存料として幅広く使用されています。
亜硝酸ナトリウムには、「色を赤く鮮やかに見せる」「菌の増殖を防ぐ」「臭みを消し風味をつける」効果があります。
これらの効果から、亜硝酸ナトリウムは肉類との相性がよいといわれています。
ですが、「アミン」という物質と合わさると、ニトロソアミン類という発がん性物質が作られます。
アミンは肉類・魚類に含まれるアミノ酸が微生物によって分解されるときに発生するものです。
ニトロソアミン類の発がん作用は非常に強いとされており、ラットを使った実験でも胃がんの形成が確認されています。
亜硝酸ナトリウムについては、「ペットフード安全法」で「フード1㎏につき亜硝酸ナトリウム100mgが上限」と定められています。
プロピレングリコール
プロピレングリコールは、石油を原料とした物質で、とろみのある液体です。
プロピレングリコールには、「保湿」「防カビ」「乳化(油と水を混ざりやすくする)」効果があります。
その効果から、ドッグフードの「保湿剤」や「防腐剤」として使われることがあります。
特に水分含量が25~35%程度である「ソフトドライフード・セミモイストフード(半生タイプのドッグフード)」によく使われます。
ですが、プロピレングリコールを摂取することで、「肝臓の数値が上昇する」「腸の働きが悪くなる」「腸閉塞が起こる」「アレルギーが出る」などの問題が確認されています。
まとめ
今回は避けるべき添加物を紹介しました。
ここで今回、紹介したものを一覧表にまとめます。
添加物 | ||
---|---|---|
酸化防止剤 保存料 |
エトキシキン |
|
BHA (ブチルヒドロキシアニソール) |
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BHT (ジブチルヒドロキシトルエン) |
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ソルビン酸カリウム |
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着色料 | 赤色3号 (エリスロシン) |
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赤色40号 (アルラレッドAC) |
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赤色102号 (ニューコクシン) |
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赤色105号 (ローズベンガル) |
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青色2号 (インジゴカルミン) |
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甘味料 | ソルビトール |
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キシリトール |
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グリシリジン アンモニエート |
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|
ビートパルプ |
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コーンシロップ |
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その他(発色剤・保湿剤) | 亜硝酸ナトリウム |
|
プロピレングリコール |
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添加物には「天然由来のもの」と「人工的なもの」の2つがあります。
ドッグフードは保存食であるため、添加物をいっさい使わずに作ることはできません。
ですが、危険性の高い「人工的なもの」を使わず、安全性が高い「天然由来」のものだけでドッグフードを作ることはできます。
ドッグフードを選ぶときは、今回、紹介した16種類の添加物を使っていないものを選ぶようにしてあげましょう。
そうすれば大切な家族であるワンちゃんの健康寿命も伸びると思います。
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