
とうもろこしって、甘くて優しい味がして美味しいですよね。
「とうもろこし、うちの子にあげたいな〜」と思ったことがある方も多いかも……。
結論から言うと、犬にとうもろこしをあたえても大丈夫です。
とうもろこしは栄養満点で、体に優しく、あたえるのはいいことです。
ですが、あたえ方にはいくつかの注意点があります。
この記事では、「とうもろこしをあたえるメリット」「あたえていい量」「あたえる際の注意点」をご紹介します。
Contents
犬にとうもろこしをあたえるメリット

犬にとうもろこしをあたえると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
ここでは、先にとうもろこしに含まれる栄養素をご紹介し、その後、とうもろこしをあたえるメリットを見ていきたいと思います。
とうもろこしに含まれる栄養素
とうもろこしは次の栄養素を含みます。
とうもろこしの栄養素
炭水化物、ビタミンB1、B6、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB9(葉酸)、パントテン酸、モリブデン、カリウム、マグネシウム、銅、リン、食物繊維
とうもろこしに含まれる栄養素の中に、犬にとって害になるものはありません。
そのため、安心してあたえることができます。
とうもろこしに含まれる栄養素の中で特に注目したいのが、「炭水化物」「食物繊維」「ビタミンB9(葉酸」「カリウム」「ビタミンB3(ナイアシン)」です。
炭水化物
炭水化物は3大栄養素の一つで、犬が健康で元気に活動するためのエネルギー源となります。
3大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質)の中でも、炭水化物は消化・吸収が早く「素早くエネルギーになる」という特徴があります。
また、炭水化物には食物繊維も含まれます。
食物繊維には、「便を安定させる」「血糖値の上昇を抑制する」「余分なコレステロール・脂肪酸を体外に排泄する」といった働きがあります。
ビタミンB9(葉酸)
「神経組織の発達」「胎児期の成長」に必要であったり、「貧血予防」効果も期待できます。
特に、妊娠中の母犬で葉酸が不足すると、子犬の健康に影響が出てしまう可能性があります。
カリウム
ナトリウムとセットで働くミネラルです。
カリウムには、細胞内の余分なナトリウムを体外に排出する効果があり、それにより「血圧を下げる」「心臓の働きを正常化する」といった効果が得られます。
また、カリウムには「体液のphの調整」「筋肉の収縮を正常に保つ」役割もあります。
ビタミンB3(ナイアシン)
必須アミノ酸の一つ。
体内で作ることができますが、それだけだと量が足りず、食事から摂取する必要があります。
また、ナイアシンは、3大栄養素の「炭水化物」「タンパク質」の代謝に不可欠。
さらに、セラミドの合成を促進し、皮膚を乾燥から守るという効果もあります。
犬にとうもろこしをあたえるメリット
とうもろこしを犬にあたえるメリットには、次のものがあります。
体を元気に若々しく保つ
とうもろこしには、健康維持に欠かせない多くのビタミン類が含まれています。
「神経系の機能を正常に保つ」「老化が原因の疾病を予防する」「皮膚を乾燥から保護する」などの効果が期待できます。
丈夫な骨と歯を作る
とうもろこしには、マグネシウムやカルシウム、カリウムなどのミネラルがバランス良く含まれています。
このミネラルの働きにより、「上部な骨や歯を作る」「骨格を強化する」といった効果が期待できます。
食物繊維で便秘の解消・予防
とうもろこしには、食物繊維が豊富に含まれています。
そのため、「善玉菌」が増え、腸内環境の改善が期待できます。
腸のぜん動運動も促されるため、便秘の解消・予防にも効果があります。
犬にあたえていいとうもろこしの量は?

犬にとうもろこしをあたえると喜びますし、栄養の面からもあたえることはおすすめです。
ですが、あたえ過ぎは禁物。
ここでは、とうもろこしを「どれぐらいあたえていいのか」見ていきます。
とうもろこしは1日のエネルギー量の「10%程度」に
基本的に、犬はドッグフード(総合栄養食)と水さえあれば、生きていけます。
ドッグフードは、必要なものを「最適なバランス」で配合し、それだけで栄養が十分にとれるように作られています。
そのため、「おやつ」などをあたえる場合は、その分、ドッグフードの量を減らさないと栄養・エネルギーのとりすぎが起こってしまいます。
犬のおやつは、1日の必要エネルギーの10~20%にすることが望ましいとされています。
とうもろこしもおやつと同じ扱いになるので、「10%程度」になるように調整しあたえましょう。
具体的にどれぐらいあたえていいのか?
具体的にどれぐらいあたえていいのか、とうもろこしのカロリーを「100gあたり95kcal(※)」で計算しました。
※.文部科学省「食品成分データベース」より
体重別にまとめると、次のようになります。
体重 | 1日にあたえていい量 |
---|---|
超小型犬 (体重4kg未満) |
30g |
小型犬 (体重10kg以下) |
60g |
中型犬 (体重25kg未満) |
120g |
大型犬 (体重25kg以上) |
240g |
この量を超えないように気をつけて、とうもろこしをあたえましょう。
とうもろこしをあたえる際の注意点

必ず加熱処理をする
とうもろこしは、粒の部分が硬いため、そのままあたえると消化不良を起こします。
そして、消化不良は下痢や嘔吐につながります。
犬にとうもろこしをあたえるときは、ゆでて粒の部分を十分に柔らかくしてあげましょう。
味付けをしない
味のついたとうもろこしを、犬にあたえるのはNGです。
食塩などで味付けをすると、嗜好性はあがるかもしれませんが、犬にとっては調味料が害になってしまいます。
とうもろこしをゆでるときも、塩ゆではしないようにしましょう。
芯をあたえない
とうもろこしの芯は絶対にあたえてはいけません。
とうもろこしの芯は、非常に硬く、犬の顎の力でも噛み砕くのが大変です。
そのため、芯を無理に飲み込んでしまうことが起こりえます。
芯は消化されることはないので、食道や腸でつまってしまう可能性があります。
腸でつまり「腸閉塞」を起こしてしまった場合は、手術で取り除く必要があります。
とうもろこしアレルギー
犬がとうもろこしアレルギーをもっていることがあります。
初めてとうもろこしをあたえる場合は、数粒あたえ1日程度、様子を確認してみましょう。
もし、次のような症状が出てしまった場合は、とうもろこしアレルギーの可能性が高いです。
アレルギー症状
- 赤い湿疹が見られる
- かゆみから、体をいつも以上にかいている
- 目に充血・炎症が見られる
- くしゃみ・鼻水
- 下痢・軟便
- 嘔吐 など
このような場合は、とうもろこしアレルギーの疑いがあるので、あたえるのはやめておきましょう。
また、ドッグフードの中には、原材料にとうもろこしを使っているものもあるので、そういった商品は避けるようにしましょう。
加工食品
とうもろこしには、味のついた缶詰・スープの缶詰・塩ゆでしたもののパックなど、多くの加工食品があります。
とうもろこしの加工食品では、塩・砂糖などの調味料が使われていたり、たまねぎなどの犬が食べられないものが含まれていたりする場合があります。
そのため、加工食品は避けるようにしましょう。
まとめ

とうもろこしをあたえると、愛犬はきっと喜んでくれると思います。
さらに、健康上の嬉しいメリットもたくさんあります。
ですが、とうもろこしをあたえる上での注意点を、しっかりおさえることは重要です。
注意点をしっかりおさえつつ、愛犬のご褒美にとうもろこしをあげてみてくださいね。