
「メロン……」
高級な品種も多いため、日常的に食べる機会は少ないかもしれません。
ですが、メロンって独特の甘みがあって美味しいですよね。
そんなメロンを「愛犬と一緒に食べたい」と思う方も多いはず。
そこで問題なのが「犬はメロンを食べられるのかどうか?」です。
結論から言うと、犬はメロンを食べられますし、メロンを食べることによってえられるメリットもあります。
この記事では、「メロンをあたえるメリット」「あたえていい量」「あたえる際の注意点」をご紹介します。
Contents
犬にメロンをあたえるメリット

犬にメロンをあたえるのはOKだということはわかりました。
ここでは、メロンをあたえることで得られるメリットをご紹介します。
β-カロテンの含有量は生の果物の中でNo.1
メロンには「β-カロテン」が含まれており、その量は生の果物の中ではNo.1(赤肉種の場合)です。
β-カロテンは、犬の体の中で「ビタミンA」にかわります。
ビタミンAには、次の嬉しい効果が期待できます。
ビタミンA
- 抗酸化作用
→強力な抗酸化作用で、犬の老化予防に役立つ - 皮膚・粘膜・目を健康に保つ
- 免疫力向上
- ガン予防
メロンは、健康で若々し体づくりをサポートしてくれます。
ビタミンCが健康で若々しい体づくりをサポート
メロンはビタミンCを豊富に含みます。
ビタミンCもビタミンAと同じく、強力な抗酸化作用を持っているため、老化予防の効果が期待できます。
さらに、皮膚・粘膜を健康に保ち、免疫力を向上させる効果も期待できます。
犬はビタミンCを体内で作ることができますが、シニア犬・活動量の多い犬・ストレスがかかりやすい犬の場合、不足することがあります。
そういった場合も、メロンを食べることで、ビタミンCを効率よくとることができます。
カリウムを豊富に含む
メロンはカリウムを豊富に含み、その量はスイカの約3倍、果物で最も多いバナナと同じぐらいです。
カリウムは、筋肉の収縮やエネルギー代謝、心機能にとって重要なミネラルです。
カリウムが正常に働くことで、「高血圧のリスクを減らす」「むくみの予防と改善」「神経伝達を正常に保つ」効果が期待できます。
犬にあたえていいメロンの量は?

犬にメロンをあたえても大丈夫なこと、メリットが多いことはわかりました。
ですが、1日あたりどのぐらいの量のメロンをあたえたらいいのでしょうか?
ここでは、「食べさせていい量」「量を守らないといけない理由」を紹介します。
メロンは1日のエネルギー量の「10%程度」に
犬は基本的に、ドッグフード(総合栄養食)と水があれば、生きていけます。
ドッグフードはそれ単体で、「必要な栄養素」を「必要な量」とれるように作られています。
そのため、おやつを大量にあたえてしまうと、「栄養のとりすぎ」や「栄養バランスの乱れ」が起こってしまいまいます。
そのため、おやつの量(カロリー)は、1日に食べるドッグフードのカロリーの10~20%までにすることが望ましいとされています。
犬におやつをあたえる場合は、その分、あたえるドッグフードの量を減らします。
今回のメロンは、犬にとって必須の食べ物ではないため、おやつとして扱います。
一日にあたえるメロンの量は、ドッグフードのカロリーの10%程度になるようにしましょう。
具体的にどれぐらいあたえていいのか?
「1日のエネルギー量の10%程度」と言われてもわかりにくいかもしれません。
ここでは、具体的にどれぐらいあたえていいのか、メロンのカロリーを「100gあたり45kcal(※)」とし計算しました。
※.文部科学省「食品成分データベース」より
体重別にまとめると、次のようになります。
体重 | 1日にあたえていい量 |
---|---|
超小型犬 (体重4kg未満) |
60g |
小型犬 (体重10kg以下) |
120g |
中型犬 (体重25kg未満) |
240g |
大型犬 (体重25kg以上) |
360g |
これ以上、あたえると「カロリーオーバー」「栄養バランスの乱れ」が起こりえます。
この表の量を参考にメロンをあたえ、その分、ドッグフードの量を減らしましょう。
メロンをあたえる際の注意点

メロンをあたえるメリットは多くありますが、同時に注意点もおさえておく必要があります。
ここでは、メロンをあたえる際に注意したいポイントをご紹介します。
メロンの皮・種はあたえない
メロンの皮は硬いため、細かく噛み砕くのが難しいです。
そのため、無理に飲み込もうとし、食道に詰まらせてしまう可能性もあります。
また、消化もされにくいため、腸で詰まってしまう場合もあります。
腸で詰まり「腸閉塞」になってしまった場合は、手術で皮を取り除く必要が出てしまいます。
種も消化されにくいため、メロンをあげる前に「わた」と一緒にとってあげましょう。
犬にはあたえるときは、皮・種・わたを取り除いた可食部のみを、サイコロ状に切ってあげましょう。
喉に詰まらせないように、サイコロは小さくしてあげると安心です。
メロンアレルギー
犬によっては、メロンアレルギーを持っている場合があります。
そのため、はじめは少量で試し、1日程度、異常が起こらないことを確認します。
次のような症状が出た場合、メロンアレルギーの可能性が高いです。
アレルギーの症状
- 湿疹ができる
- 激しい痒みから、体をかきむしる
- 目が充血する
- くしゃみ・鼻水が出る
- 下痢・軟便になる
- 嘔吐する など
メロンをあたえたあと、このような症状が出た場合、メロンアレルギーを持っている疑いがあります。
この場合は、メロンを愛犬にあたえることは諦める必要があります。
交差反応アレルゲン
交差反応アレルゲンとは、ある動植物にアレルギーを持っている場合、その種に近い動植物に対してもアレルギー反応を示すことがある、というものです。
メロンの場合、種が近いのは「ブタクサ」「リンゴ」「バナナ」「トマト」です。
「ブタクサ」「リンゴ」「バナナ」「トマト」のいずれかにアレルギーを持っている場合、種が近い「メロン」でアレルギーが起きる確率は高いと言えます。
そのため、「ブタクサ」「リンゴ」「バナナ」「トマト」アレルギーを持っていることがわかっている場合は、メロンをあたえるのはやめておいたほうが安心です。
加工食品
メロンの加工食品はあたえないようにしましょう。
メロンの加工食品には「ジュース」「アイス」「ゼリー」「メロンパン」などがあります。
どの加工食品も「塩分」「糖分」「添加物」などが含まれ、人間にとって美味しい味になるように調整されています。
人間にとっては害にならなくても、犬にはとっては害になる可能性があります。
一方、手作りの「メロンジュース」など、メロンのみを使って作るオリジナルの加工食品はあたえても大丈夫です。
腎臓が悪い場合はあたえない
メロンはカリウムを多く含む果物で、その量は100gあたり約340mgになります。
健康な犬であれば、カリウムを多くとっても、過剰分は体外に排出されます。
ですが、腎臓の機能が落ちている時は、カリウムは体内にたまりやすくなり、「高カリウム血症」を起こすことがあります。
高カリウム血症になると、次の症状がでます。
高カリウム血症の症状
- 手足のしびれ
- 筋力低下
- 嘔吐
- 不整脈・頻脈
高カリウム血症になると、最悪の場合、命を落とすこともあります。
腎臓の治療を受けていたり、療法食を食べていたりする場合、カリウムを多く含むメロンはあたえないようにしましょう。
まとめ

メロンは犬が食べても大丈夫なフルーツです。
メロンはほんのり甘く優しい味が魅力で、愛犬にあたえればきっと喜んでくれると思います。
さらに、メロンは「β-カロテン」「ビタミンC」を豊富に含むため、健康で若々しい体づくりや老化防止にも役立ちます。
ですが、あたえる量を守らなければ、肥満の原因になってしまったり、食に対してわがままになってしまったりすることも……。
そういった点に気をつけながら、愛犬と一緒にメロンを楽しんでくださいね!