ミックストコフェロールを含む食品

ミックストコフェロールは、安全性の高い成分です。

ドッグフードは保存食であるため、パッケージを開けてから使い切るまで品質が保たれる必要があります。

そこで使われるのが「酸化防止剤」で、ドッグフードでは必須の添加物になります。

この記事では、酸化防止剤に使われることの多い「ミックストコフェロール」について、安全性やどのようなものなのか解説します。

ミックストコフェロールは安全性の高い酸化防止剤

ミックストコフェロールを含む食品

トコフェロールとはビタミンEのことです。

トコフェロール(ビタミンE)には、化学構造によって複数の種類があります。

この複数のトコフェロールを混ぜ合わせたのが「ミックストコフェロール」です。

ミックストコフェロールは、植物油や種子などに含まれる「天然由来の成分」なため、安全性が高いという特徴をもちます。

また、ミックストコフェロールには、酸化を遅らせる働きがあるため、ドッグフード・おやつの酸化防止剤として使われることがあります。

ドッグフードに酸化防止剤が必要な理由とは?

スコップとドッグフード

ドッグフードは保存食のため、基本的に「酸化防止剤」が必須です。

ドッグフードのパッケージをあけ、粒に含まれる油脂が酸素に触れると酸化が始まります。

酸化が進むと、ドッグフードが持つ「味」「風味」「栄養成分」が失われていきます。

酸化が進んだドッグフードを食べると、「栄養失調」「下痢」「嘔吐」が起こることがあります。

「酸化」のスピードを遅らせ、ドッグフードを新鮮な状態に保つ役目をするのが「酸化防止剤」になります。

酸化防止剤には、「天然由来のもの」「人工的に作られたもの」の2つが存在します。

分類 詳細 具体的な添加物
天然由来のもの
  • 人工的に作られたものよりも酸化防止の効果に劣る
  • 酸化防止の効果は、1ヶ月程度、持続する
  • 安全性が高い
  • ミックストコフェロール
    (ビタミンE)
  • クエン酸
  • ローズマリー抽出物 
    など
人工的に作られたもの
  • 天然由来のものよりも、酸化防止の効果に優れる
  • 酸化防止の効果は、2ヶ月程度、持続する
  • 安全性は天然由来のものに劣り、「毒性」「発がん性」をもつものもある
  • エトキシキン
  • BHA
    (ブチルヒドロキシアニソール)
  • BHT
    (ジブチルヒドロキシトルエン) 
    など

ドッグフードを扱いやすくしたり、価格を抑えたりすることが目的で、BHAなどの人工的に作られた酸化防止剤が使われることがあります。

その一方で、ドッグフードの安全性を高めるために、天然由来の酸化防止剤が使われることも多くあります。

ミックストコフェロールとはどのようなもの?

ミックストコフェロールの化学式

ミックストコフェロールのもとになる「トコフェロール」とはビタミンEのことです。

トコフェロールの化学構造の違いから、アルファ・トコフェロール、ベータ・トコフェロール、ガンマ・トコフェロール、デルタ・トコフェロールの4種類が存在します。

ビタミンEは「植物性油脂」「ナッツ類」「緑黄色野菜」「アボカド」に多く含まれます。

これらの天然の食品から精製された場合、アルファ・ベータ・ガンマ・デルタ、4種類のトコフェロールが混ざった状態になります。

4種類のトコフェロールが混ざったものは「ミックストコフェロール」と呼ばれます。

ミックストコフェロールは天然由来の成分なため、安全性の高い酸化防止剤となります。

特にプレミアムドッグフードで使われることが多い成分です。

原材料を見ればミックストコフェロールが酸化防止剤として添加されているかどうかわかります。

ミックストコフェロールが使われているドッグフードの場合、パッケージの開封後、1ヶ月以内に使い切る必要があります。

ミックストコフェロールの注意点

ぐったりしているトイプードル

ミックストコフェロールは安全性が高い成分なため、注意点と言えるほど気をつけないといけないところはありません。

強いてあげるならビタミンEの「過剰摂取」ぐらいですが、ドッグフードの給与量を守っていれば通常は起こらない問題です。

また、一時的に「過剰摂取」の状態になったとしても、ビタミンA・ビタミンD・ビタミンKの吸収を妨げるだけです。

過剰摂取の状態が解消されれば、他のビタミンの吸収を妨げる問題もおさまります。